フクダ電子アリーナ

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2016年11月8日火曜日

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 自身がチーム統括本部長と強化部部長を兼任していた2015年シーズン、多額の人件費を投入しながらもチームは低迷。




 1stステージを13位、2ndステージも12位と浮上できずチームがもがき苦しんでいた10月10日、本人からの申し出により退任が決まりました。
 



 そんな地元出身の高橋 悠太氏に白羽の矢を立てたのがジェフだったのです。




 2015年11月23日、ジェフ千葉公式サイトでゼネラルマネージャーの就任を発表。




 公式サイトに掲載されたコメントは、


 「自分自身が生まれ育った街の、歴史と伝統のあるクラブで働ける事になり本当に嬉しく思っております。ファン、サポーターの皆さまからより一層愛されるクラブをつくるため、強い覚悟を持って全力で頑張りますので、よろしくお願い致します。」


 と、やる気に満ち溢れていました。




 しかし、実際に「中の人」となってクラブの現状が見えてくると、ジェフ千葉が置かれている状況が徒ならぬものだということが分かってきました・・・。
 



 状況を最も苦しめていたもの、それは「財政問題」でした。ジェフ千葉といえば、2016年を戦うクラブの中では上から4番目の資金力を持つと思われていましたが、これまでに獲得した選手の移籍金がクラブの財政を圧迫させている事実が判明。
 



 高橋氏いわく、「選手の獲得にかける移籍金の割合が尋常じゃなく、それが選手に支払うべき給料に対して首を絞めているような状況でした。」




 「(昨季)のあのメンバーを維持しようとすれば来年も再来年も償却が残るし、その他の実質的な選手たちに人件費を掛けられないという事が分かったのです。」




 高橋 悠太ゼネラルマネージャーは、それまでの負の遺産から目を背けるのでは無く、身の丈に合った規模のクラブ作りに全てのエネルギーを注ぐことにしました。




 2015年シーズン最終戦の讃岐戦(0-2で敗戦)後、ミックスゾーンで様子を見ていた高橋氏には、選手たちの表情を見ていてチームから心が離れている人が何人かいるのに気づきました。




 シーズン終了後に全選手と面談した高橋氏は、「現在のチームに対する問題点や不満を言う人もいましたし、事実、ジェフでは無くJ1のクラブでやりたいという言う選手もいました」と語ります。




こういう雰囲気のまま勝てるほどJ2は甘くないと悟った高橋氏は、八千代高校時代に千葉県選抜として国体優勝した当時のチームメイトでもある、MFの佐藤 勇人選手と話し合いを持つことにしました。 




 「クラブがこんな状況の中、チームリーダーとして信頼を寄せる勇人が一番初めにクラブに残ると真っ先に決断してくれて、僕の考えに賛同してくれたことが嬉しかった。」




 強い気持ちでクラブを立て直すと決意した高橋 悠太ゼネラルマネージャーが次にしたことは、「ジェフでやりたいという強い意志がある選手を獲得することでした。




 かつてイビチャ・オシム監督の下でクラブ史上初のタイトルを獲得した2005年~2006年当時は、ジェフには厳格で規律ある雰囲気があり、全ての選手が勝者のメンタリティ―を持っていました。




 「僕自身、ジェフの中を見たときに、分かりやすく言うと上下関係がしっかりしていないと凄く思ったんです。若い選手が目上の選手に対してリスペクトが無かったりとか、目上の選手が若い選手に対して意見とか注意とか、選手として大事にしないといけないことを言えない選手が多くて・・・」




そんな現状を危惧した高橋 悠太ゼネラルマネージャーは、地元出身の選手、おらが街のクラブを自分の力で強くするんだ!という気概を持つ選手の獲得に乗り出すことに。




 「リストアップした選手にオファーを出して実際に会うと、千葉出身の選手はジェフに対する気持ちをどこかに持っている選手が多かったんです。」




 「優先順位として、気持ちが強い選手を集めたいという中で、千葉出身の選手が多くなりました。どちらの選手を獲るか迷った時は、千葉に対する気持ちがある選手を獲ろうとも思っていました。」




 その結果、主力を含む24名がチームを退団、新たにチームに加わったのは、レンタルバックの選手を除いて19名にのぼりました。




 1月17日、ジェフ千葉の本拠地であるフクダ電子アリーナでは、2016新体制発表会が行われました。




 監督・スタッフ・選手全員が登壇した発表会の後、取材に応じた高橋 悠太ゼネラルマネージャーによれば、新加入した19名獲得に掛かった移籍金はなんと500万円のみ。




 川崎Fとの契約を残していたFW 船山 貴之選手を獲得するのに移籍金が発生したものの、財政の健全化を徹底させたことにより、残りの18名は移籍金0円で獲得するに至ったのです。




 こうして迎えた関塚 隆監督体制3年目の2016年シーズンは、当初の不安をよそに順調すぎるほどのスタートを切りました。




 当初の不安というのは、限られた時間で新たに加入した選手たちへ戦術が浸透できるかということと、長年一緒にやっているからこそ出てくる連携面の部分。




 しかし、キャンプ期間中に参加した 「2016 Jリーグ・スカパー! ニューイヤーカップ」宮崎ラウンドでは、ロアッソ熊本を2-1、アビスパ福岡を5-1、鹿島アントラーズを1-0で下し優勝!




 賞金300万円を獲得すると共に、キャンプでやってきた方向性が間違っていないことを確認できました。




 2月14日にフクアリで行われた 「第21回 ちばぎんカップ」では、同じ千葉県に本拠地を持つ、J1の柏レイソルと千葉ダービーで対戦。




 ボールを奪ってから縦に早くFWにつなぎチャンスを作ると、前半15分に新加入の船山 貴之選手が先制ゴール!




 前半を1-0で折り返すと、試合は実力に勝る柏レイソルが徐々に押し返す展開。そんな前掛かりのスペースを狙ってカウンターを仕掛けると、後半4分にはCKのチャンスから新加入のエウトン選手がゴール!




 0-2となった柏レイソルは交代で入ったフレッシュな選手を中心に何度も反撃を仕掛けますが、後半37分には再び新加入のイ・ジュヨン選手がFKからネットを揺らして3-0と突き放します!




千葉ダービーという舞台で、格上の相手に対して自分たちのサッカーが通用するという自信を深め、チームに一体感というものを取り戻すことが出来ました。




2016年2月28日、遂に216年シーズンが開幕。




フクアリで行われた徳島ヴォルティスとの開幕戦を2-1と勝利し、開幕4試合を3勝1敗の勝ち点9と好スタートを切ったかに見えたジェフ千葉ですが、第5節のザスパクサツ群馬戦を引き分けると、続く第6節のセレッソ大阪戦には敗戦。




 FC町田ゼルビアには引き分けたものの、J3から昇格し初対戦となったレノファ山口とのアウェイ戦には2-4とまさかの大敗を喫し、第9節の時点でJ1昇格プレーオフ圏内に遠く及ばない10位と低迷。




シーズン前の好調が嘘のようにチームの歯車が狂い始めてしまいます。




 ジェフの戦術が研究され勝てない試合が続くと、時間を掛けることで築かれる信頼関係の薄い選手たちには、チームを立て直すことが出来ませんでした。




 8勝9分7敗で迎えた第25節の清水エスパルス戦を大接戦の末落とすと、クラブは関塚 隆監督を解任。




 かつてジェフ千葉でプレーした長谷部 茂利コーチを監督代行に昇格させ、チームの立て直しを図るも、狂ってしまった歯車は元には戻らず、第38節のV・ファーレン長崎戦に引き分けたチームは今季の7位以下が確定。




11勝13分14敗の勝ち点わずか46と、J1昇格プレーオフの進出の可能性が完全に消滅した中、今日の試合を迎えたのです。

 (つづく)

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