室町時代末期、長福寿寺には豪仙(ごうせん)という一人の僧侶がおりました。
彼は、18歳の若さで僧侶の最高位である僧正(そうじょう)になる程の名僧で、当時の長福寿寺においては、教学・教育などの学事を統括する學頭の役職に就いていました。
こんなエピソードがあります。
早朝、豪仙學頭が護摩修行をしていると、火炎の中に一頭の象が舞い降りてきました。
象は古来より仏さまのお使いとされ、願い事を叶えてくれると言われています。
吉象は豪仙學頭に向かって言いました。
「私は人々を幸せにするためにやってきた。私の足をさすれば必ず幸せになれる。そのことを多くの人々に伝えよ。また、そなた自身にも絶大なる力を授けよう」
このお告げを胸に、豪仙學頭は吉象の教えを多くの人々に説きました。
すると、自身も織田信長の焼き討ちに遭い荒廃した比叡山を援助し、根本中堂を再建した素晴らしいお坊様として、現代にもその名を残すことになったのです。
今日の長福寿寺を有名にしたのが「吉ゾウくん」なら、そのご利益は何といっても、宝くじの当選などによる金運の増大でしょう。
今からおよそ430年前、「吉ゾウくん」は誰の前に現れましたっけ?
(つづく)
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