フクダ電子アリーナ

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2017年11月13日月曜日

豊田スタジアムの歩き方 徹底攻略ガイド 豊橋旅行 その8



 2016年シーズンも終盤、第38節の vs V・ファーレン長崎戦をスコアレスドローで終えると、今季7位以下が確定し、2017年シーズンもJ2で闘うことが決まりました。




 監督代行として最後の1試合までチームを鼓舞し、闘う姿勢を見せてくれた長谷部ジェフでしたが、最終成績は11位とJリーグ創設後の最低順位を記録。




 J2降格後初めての二桁順位となり、得失点差も初めてマイナスに終わった最低のシーズンとなりました。




 その裏で、フロントはシーズン終了を待たずに来季の監督探しに奔走していました。




 一部では、湘南ベルマーレを過去に2度も昇格させている曹貴裁(チョウ・キジェ)監督の手腕にジェフ千葉の悲願を託すとの報道も流れましたが、高橋悠太GMの目は海外に向いていたのです。




 2016年11月25日、ジェフ千葉のオフィシャルサイトには意外な名前が踊ることになります。




 「フアン・エスナイデル監督の就任内定について」




 エスナイデル? 誰?? アルゼンチン人の監督? 


 監督のプロフィールを読むと、選手としてレアル・マドリード、レアル・サラゴサ、アトレチコ・マドリード、エスパニョール(以上スペイン)、ユベントス(イタリア)、ポルト(ポルトガル)など錚々たるビッグクラブに在籍し、アルゼンチン代表歴もあるそう。




 クラブにとっては2011年のドワイト・ローデヴェーヘス監督以来、6年ぶりの外国籍監督の招聘となり、南米出身の監督を迎えるのはクラブ史上初めてのこと。




 J1昇格の可能性が消滅する少し前の2016年10月中旬、高橋GMが次期監督に外国人を招聘すべく、4人の監督候補と会うために渡欧していたのです。




 11月28日にユナイテッドパークで行われた新監督の就任会見では、交渉に当たった高橋GMが4人の候補からエスナイデル氏を選んだ理由を次のように話しました。




 「まず、今のジェフの選手が持っているサッカーに対する価値観を大きく変えられるか?というところ。あとは、しっかりコミュニケーションを取って、こちらをリスペクトする姿勢があるか?その2点をすごく重要視していました。」




 アルゼンチン出身のエスナイデル氏は生粋のストライカーとして1990年代に活躍。


 1991年にスペインの名門レアル・マドリードに加入した後も数々のスペインのクラブを渡り歩き、イタリアではユベントスでプレー、キャリアの晩年には母国のリバープレートでも活躍するなど、選手としてのネームバリューは素晴らしいものがありました。




 それほどの大物が日本の、しかも2部のクラブの監督を本気で引き受けてくれるのか?




 サラリーの良い、割の良い仕事とばかりに腰掛け程度の気持ちで考えているんじゃないのか?と、高橋GMでなくとも不安に思うに違いありません。




 現役引退後は母国アルゼンチンに戻り、自分が所有するクラブの経営やチーム強化を担うフロントの仕事に励んでいたエスナイデル氏。




 そんなエスナイデル氏の元に、ミチェル(現マラガ監督)から電話があり、「スペインで指導者ライセンスを取って俺のサポートをしてくれないか?」と熱心に誘われたことがきっかけで指導者の道を歩むことなりました。




 「監督業については本当に偶然のことで、引退前から計画していたことではありません。」と語るエスナイデル氏は、スペインで指導者ライセンスを取得すると、その後にヘタフェを率いたミチェル監督のアシスタントコーチとして現場に立つことに。




 2008年~2009年にヘタフェ(スペイン1部 アシスタントコーチ)、2011年~2012年にレアル・サラゴサ(スペイン2部 監督)、2012年~2013年にコルドバCF(スペイン2部 監督)、2015年~2016年にヘタフェ(スペイン1部 監督)、2016年~ ヘタフェ(スペイン2部 監督)を歴任してきたエスナイデル氏でしたが、




 「シーズン途中でヘタフェ監督を解任された私にとって、昨年はスペインで指揮ができない期間(スペインでは同じシーズンに異なるクラブを指揮できないルールがある)だったので、海外で指導することを考えていました。」




 「そうしたタイミングで高橋悠太GMと話をする機会をいただき、お会いする前に私なりにジェフ千葉の試合や情報を集めることにしたのです。」




 高橋GMは、「初めて面談した際、エスナイデル氏は既にジェフの試合を20試合ほど観ていて、その時にジェフの問題点やゲーム分析を(彼が)プレゼンしてくれました。」


 「そのくらいクラブに対する思いも感じましたし、そういったプロとして当たり前の準備をしてきてくれたことも、大きな要因です。」と語りました。




 エスナイデル氏は、「ジェフ千葉のことを調べている時から、このチームを指導することに興味が湧き、会談で高橋GMからプロジェクトについての具体的な話を聞いて、日本に行きたい気持ちが強くなりました。」




 「ジェフ千葉が求めていたこと、私が求めていたことで一致する項目が多く、最初の会談から契約までの流れはとてもスムーズに進みました。」と話しました。




 さらに、「試合映像を観た時に、チームのプレーはもちろんのこと、サポーター・スタジアムの雰囲気がとても良かったのも印象に残っています」




 「高橋GMから説明してもらったクラブの概要、組織体制も気にいったので、決断する上で難しい要素は何もありませんでした。」と語り、自身の挑戦の場をJリーグに定めたのです。


 新監督就任会見の最後に、自身について「どちらかと言えばリアリスト」と笑顔で語った43歳のエスナイデル氏は、「早く練習がしたいです。練習を早くできれば、それだけチームを知ることが出来ますし、良いチーム作りができると信じています。」と話しました。




 会見では様々な質問が飛び、エスナイデル新監督はサッカーに対する姿勢や戦術に関する考え方を披露。日本での新たな挑戦についての意気込みも語りました。


 「昇格するためには、とにかく勝たないと始まりません。今季よりも、より"ゲームの主役"になれるような試合運びをしないといけないと思っています。」




 「チームとしても個人としても、"勝者のメンタリティー"を持たなければいけません。」と熱く語るその姿に、2017年シーズンのジェフの命運を託すことにしたのです。


 つづく

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